ダニについて

ダニは世界中に分布し、高山から低地、乾燥地から湿地、土中、水中、人工建造物内など様々な環境に適応して生息しています。

ダニは、昆虫ではなくクモやサソリに近い生き物です。人の血を吸うダニは、イエダニとマダニの大きく分けて2種類。

また、屋内塵性ダニ類、ヒョウヒダニ(チリダニ)は、人間が生活する場所に生息し、死がいや糞が鼻炎・ぜん息・アトピーなど様々なアレルギー症状を引き起こすアレルゲンとなります。

ダニの危険性

健康被害をもたらす身近なダニとしては、イエダニ、ツメダニ、ヒョウダニなどが知られています。ものに隠れる性質があるため、じゅうたんや畳、寝具やソファー、ぬいぐるみやクッションなどに住みつきます。 室内に生息するタイプのダニで人を刺すのは主にイエダニ、ツメダニと考えられます。これらのダニは皮膚のやわらかい部位を刺して体液や血を吸うため、腕の内側、わき腹や下腹部、太ももなどが被害に合いやすいようです。刺された箇所には赤い発疹ができ、多くの場合は激しいかゆみが数日間にわたって続きます。

屋外では、草むらなどにマダニが住み、数年前からSFTS(重症熱性血小板減少症候群)という感染症をを媒介するとして警戒が促されています。発症すると、発熱や嘔吐、下痢、意識障害、皮下出血などの症状が現れ、死亡に至るケースもあり、今のところ有効な治療薬やワクチンもありません。

マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血しますが、咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われています。吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらいましょう。また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けるよう厚生労働省は促しています。